高血圧症の治療は生活習慣の見直しに加えて、薬が使われます。血圧降下剤はどうやって血圧を下げるのか?身近な疑問にお答えします。

高血圧症の薬と治療高血圧症の薬と治療

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◆β遮断薬

β受容体には主に心筋に存在するβ1受容体と平滑筋に存在するβ2受容体、脂肪細胞に存在するβ3受容体の3種類あります。 ともにノルエピネフリン(NE)が受容体に結合することでその作用を示します。 β1が刺激されると、心筋が収縮して心臓が 活性化され、β2が刺激されると、気管支や血管の平滑筋が弛緩(拡張)したり、グリコーゲンの分解等が起こります。

<臓器とβ受容体の関係>

臓器 部位 受容体 反応
毛様体筋 β 弛緩(遠視)
心臓 洞房結節
心房
心室
β1 心拍数増加
収縮力増加
収縮力増加
動脈 冠血管
骨格筋血管
内臓・腎
β2 血管拡張
静脈   β2 血管拡張
気管筋 β2 気管支拡張
肝臓 グリコーゲン分解 β2 血糖上昇
胃腸 運動と緊張 β1 運動抑制
腎臓 レニン分泌 β2 レニン分泌促進
膀胱 排尿筋 β2 弛緩
唾液腺   β アミラーゼ分泌
脂肪細胞   β1、β3 脂肪分解促進

これをみると、β1受容体を刺激する薬物は心臓を活性化する以外にも、脂肪を分解したり、唾液を分泌させたりすることがわかります。 心臓を活性化させる目的で使った場合は、脂肪分解作用は副作用ということになります。

β1受容体のメカニズムは下図。

β2受容体のメカニズムは下図。



β遮断薬
β受容体を遮断する薬(大まかな作用は上記参照)。ISAとは、内因性β刺激の意味で、交感神経が興奮しているときは βを抑え、興奮していないときはβをわずかに刺激する作用のこと。
ISA+は心拍出量を減少させすぎないため、高齢者や徐脈の患者さんに適している。
ISA-は心拍出量を減少させるため、狭心症や頻脈の患者さんに適していて、 心筋梗塞の再発や虚血性疾患を防止し、心不全の予後を改善する。

インデラル、セロケンは食後に服用すると血中濃度が上昇する(食事で門脈血流量が増加するため)。
β1選択性
(ISA-)
ケルロング
(ベタキソロール)
β1受容体に選択的に結合して心臓機能を抑制する。
脂肪分解抑制作用は肥満の患者さんによくない
眼の毛様体筋も弛緩させるので、弛緩を抑制することは眼圧上昇につながり、緑内障患者さんにはよくない。
セロケン
(メトプロロール)
テノーミン
(アテノロール)
β1選択性
(ISA+)
セレクトール
(セリプロロール)
持続性
ピンドロールN
(ピンドロール)
膜安定化作用-
非選択性β
(ISA-)
インデラル
(プロプラノロール)
非選択性のため、心機能抑制作用に加えて、β2遮断作用である血管収縮が起こる。同時に気管支収縮も起こるので、 喘息患者には禁忌となっている。
非選択性β
(ISA+)
サンドノーム
(ボピンドロール)
プロドラッグであり持続性。効果はインデラルの倍以上といわれる。
αβ遮断
(ISA+)
アーチスト
(カルベジロール)
持続性高血圧、狭心症、慢性心不全に適応。
高血圧:成人1日1回10〜20mg
狭心症:成人1日1回20mg
慢性心不全:
通常、成人1回1.25mg、1日2回で開始する。検査で心不全の増悪がないか確認しながら1〜2週かけて段階的に増量し、維持量である 1回2.5mg〜10mgに到達させる。
慢性腎不全に使用する場合は、ACE阻害薬、ジギタリス、利尿薬で治療中のものに限る。
アルマール
(アロチノロール)
心不全には適応なし。
インデラルより効果、持続時間↑。
副作用:考え方は上参照。禁忌:非選択型β遮断薬は全て気管支喘息の人には禁忌です。

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